東京支部長秋山正子さん特集(十勝毎日新聞より)

  • 2012.10.31 Wednesday
  • 09:19
 秋山正子さん多職種つなぎ命に寄り添う
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訪問看護の道へ
 私が高校生の頃、末期がんの父を自宅でみとった。認知症の症状もあり、弱る父に何もできなかった反省から、看護の仕事を選んだ。2つ上の姉が41歳の時、余命1カ月のがんと診断された。自宅で過ごした4カ月半は家族にとってかけがえのない時間だった。その後、自宅療養を望む患者を支えたいと、訪問看護の道へ進んだ。
 団塊の世代が75歳になる2025年、病院のベッドは増やせない。多様な場でのみとりが課題だが、「自宅では難しい」という考えが根強い。死亡確認のため救急車を呼ぶ事例も多く、救急現場にも影響を及ぼしている。
 人生の最後をみじめにしないため、患者の症状を重症化させない「予防」が大切だ。悪化したときには在宅の医療体制で支えるか、短期間病院で治療し、可能な限り早く生活の場に戻す。これには多様な職種の連携が必要になる。病院、訪問看護や介護者、介護者を支える地域の人との関わりを経て、最後にみとりを迎える。多職種をつなぐのに大きな力を発揮するのが、医療と介護双方の知識を持つ訪問看護だ。
「暮らしの保健室」
 昨年11月、東京都新宿区の大規模団地「戸山ハイツ」に、住民に近い相談の場「暮らしの保健室」を開設した。新宿区全体の高齢化率は20%程度だが、この地域は47%。都会の真ん中にありながら、非常に高齢化が進んでいる。
 個別相談の場、共同スペースの場も完備し、ゆったりと相談できる。時には子供たちの姿もあり、家族を自宅でみとったボランティアの力も借りている。
 地域包括支援センターの紹介で、独居の80代女性が保健室を訪れた。地域から孤立し、具合が悪くなると救急車を呼んでいた。保健室では関係者を集めケア会議を開き、見守りを受けながら女性が安心して暮らせる環境を時間をかけて整えた。訪問看護の経験が、多様な職種をつなぐ潤滑油の役割も果たしている。
 老化や病気の過程を楽に過ごすため、まち全体がつながり、支え合うことが大切だ。これがケアする人が生き生きと働ける環境にもつながっていく。
丁寧に向き合い成長
 訪問看護師は、一人ひとりのみとりと丁寧に向き合うことで成長する。地域から認められることで仕事の充実感や、訪問看護を続けるエネルギーを得ることができる。多くの方とつながる力を信じて、これからも命に寄り添うケアを生活の場に届けていきたい。

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