『おしっこの管』札幌麻酔クリニック 金谷潤子Drから

  • 2018.05.04 Friday
  • 17:57

『おしっこの管』札幌麻酔クリニック 金谷潤子Drから

ある女性の患者さん、10年以上前から「膀胱のばい菌は無くならないから」…と尿道カテーテル留置となったそうです。
ご縁をいただいた時に情報としていただいたのは、カテーテルの自然脱落がしょっちゅうだということ。
うーん、そんなことあるかいな?
カテーテル先の風船を膨らませて膀胱に留めているので、風船が破れた時か、引っ張ってしまった時しか考えにくい。
お会いしてお聞きすると、昼間は人目が気になるので、カテーテルの先に蓋をして(写真参照)バッグは外して過ごし、夜にまた繋いでいたとのこと。
なぬ???
それはいかん。
日中は管が入っているのに尿を出せない…我慢状態。
時々、尿路感染で発熱していたとのこと…そりゃそうです。
服用していたのは不安を抑える薬数種類とアレルギーの薬。
これは怪しい。
ご家族とご本人に「おしっこの管、要らないかもしれませんよ」とお話したら、びっくりされました。
そりゃそうですね。
初めて会って何も検査したわけじゃ無い医者にそんなこと言われたら。
この方は手の細かい震えでもお悩みでした。
排尿障害も手の震えも、お薬の副作用だろうと感じました。
全ての排尿障害や手の震えが薬剤性の訳ではありませんが、原因となる可能性のある薬剤は意外に多くあります。
私は副作用マニアと言っていいほど常に薬剤の副作用を考えるのが趣味で、場合によっては副作用を利用することもあります。

さて、この方の不安を軽減する薬を少しずつ減らしていく計画を立てました。
ある種のお薬は急に止めると大きな不都合を起こすことがありますので、漸減計画が大切です。
周りの方々にもご本人にもご説明します。
順調に計画は進み、初診から40日ほど経過してとうとう管を抜きました。
まだ間に合わない漏れは少し有りますが(そりゃ10年以上管が入っていたのですから)、ご本人は尿意を感じてお手洗いに行き排尿できる嬉しさ…何よりも何も付いていない自由を喜んでおられます。手の震えも少し弱くなりました。
今まで我慢していた外出や旅行も考えたいそうです。
良い春になりそうです🌸

 

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