「戦う医療」から「支える医療」へ

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 23:18

「戦う医療」から「支える医療」へ──。財政破綻の夕張市で学んだ村上医師が説く、高齢社会の医療のあり方とは。

──夕張は先進地域なのですか。
夕張は、財政破綻で医療も崩壊して大変、市民はかわいそうと一様に思うようで、確かに総合病院がなくなり、診療所化された。これは医療の後退、医療 崩壊とは建物とそれにかかわる医者がいなくなったこと、と思い込まれている。
恵まれている状態とはいえないが、在職の5年を振り返ってみると、医療費激減の一方で、死亡率は下がり、平均寿命も延びているか変わらない。
長野県が男女とも長寿日本一になった。
病院が多いわけではない。住民の検診の受診率が高く、健康に対する意識が高いことが押し上げた。これが純然たる理由だ。とかく夕張では、救急医療がないと命にかかわって、住民はかわいそうだといわれたが、不安をあおるだけでは住民の健康意識は変わらない。

──ケア重視に変えました。
余裕がなかったこともある。最善の方法として、住民自身が健康づくりで医療負担を減らしていくしかなかった。住民が看護師や介護士の資格を取って起業し、24時間型の訪問看護ステーションを立ち上げてもいる。
やってもらうのを待つのではなく、自分たちで動く。
たまたま夕張は高齢率が高くて、いわば「2050年の日本の縮図」になっている。
これから高齢化は大都市部で大変になってくる。
人口が多いので当然、圧倒的に多くの数の高齢者が住むことになる。今までの医療のやり方では、日本中の医者を連れてきても対応は無理だろう。従来と違う仕組みで支える必要がある。夕張はそれを先取りする雛形になっている。

──日本には将来について悲観論が多くあります。
高齢化が進んでいくのは日本のどの地域も共通している。連携していくことだ。経済がダメといわれてもGDP(国内総生産)は世界3位だし、医療のレベルは世界一。
その一方、医療費は先進諸国の優等生。それでも平均寿命は世界一長く、乳幼児死亡率は世界一低い。
こんなに恵まれている。
くよくよと心配するより、できることをどんどんやる。まず社会につながりを取り戻す。
それもヨコ社会やタテ社会ではなく、それを複合した「斜め社会」という、新しい社会資本を作っていく。
そうすれば、その地域でもっと楽しんで生活ができ、死んでいける。

──死んでいける?
人間の死亡率は100%なのを前提に対応を進めていかねばならない。医者仲間が言うには、大病院に行けば100%死なないで済むと思っている人が本当にいるという。死が前提と割り切れと断じると、「年寄りに早く死ねというのか」と糾弾されるが、そうではない。
「お年寄りは若い人より早く死ぬ」と言っているのだ。
夕張で始めた「支える医療」はそれを前提にしている。
しかも、たとえば90歳の人に50歳の医療を行ってはいけない。
頭を切り替えないとバカみたいにおカネがかっていく。
もう来るところまで来ているともいえるが。

──支える医療が根幹ですね。
従来は若い人口構成だったから、医療は病気と戦って勝つことができた。勝つとは病気が治って社会復帰することをいう。高齢化が進み、超高齢社会になってくると、平均寿命が世界一とはいえ、戦っても勝てなくなる。
明瞭な事実として、高齢者は入院するだけで死亡リスクと認知症リスクが上がる。つまり安静を強いること自体がリスクになる。
70歳以上では入院して3日や4日寝ているだけで、認知症発症率が極めて高くなる。
それにもかかわらず以前と同様な発想で、たとえば1週間点滴したら治るという常識を当てはめたら、罪なことになる。
その人は認知症がひどくなって従来の生活に戻れない。
支える医療では予防ケアや在宅ケアを重視する。
そうすれば、社会的なおカネが軽減されるし、ケアを受ける人にとっても「被害」が少なくて済む。
ただ、それは医者と看護師だけではできない。
本人と家族の覚悟に加え、そのほかの人たちの力も借りることになる。それが支える医療の本質だ。

──支える医療にシフトしていくにはどうすればいいですか。
戦って勝つ医療の裾を引きずって、たとえば施設で血圧や体温を何回も測るのは愚の骨頂ではないか。風呂に入る前にも測るが、80歳以上の人の正常値を私は知らない。どのくらいなら長生きできるかもわからない。さらに、長生きしているのに食事制限してどうなるのか。戦って勝つ医療をそのままの形で続けている。それでは誰もハッピーにならない。
支える医療はそうではない。長く入院させないで、家に帰して、往診で医者と看護師が支えていけば、医療の内容はほとんど変わらないし、本人もハッピーになる。洗車場みたいな感覚で、入院したらきれいになって帰ってくると思ったら大間違い。そもそも不安だけを理由に入院させるのはもってのほかだ。

『ハッピーになるための方程式』=それが、ささえるさんスキーム

  • 2018.01.30 Tuesday
  • 12:03

『ハッピーになるための方程式』=それが、ささえるさんスキーム


コミュニティーが生き残るために必要なのは、おおやけの意識が大事です。

それは、「覚悟』 『愛着』 『ものがたり』なのだと思います。

 

不便になっても愛着と覚悟があれば地域に住むことは可能だし、

次の世代の事を考えたら我慢も必要です。

 

今後は、個人の権利よりもコミュニティーを優先したおおやけの意識が必要。

 

みんな同じという悪しき平等は止めて、頑張らない地域は消える事も大切。

 

これらの考えを、村上は『医療にたかるな』の答えとして、
瀬棚、夕張を経験した結果として、


Kindle本『ささえるさんスキーム』ものがたりくらぶ出版 。

アマゾンから購入できます。

 

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25日13時から再放送〜―患者の声に寄り添う医療とは―

  • 2018.01.23 Tuesday
  • 22:00

『二人の医師の遺言 ―患者の声に寄り添う医療とは―』
NHKハートネットTV 25日13時から再放送


去年5月、2人の著名な医師ががんで亡くなりました。


石川県金沢市で30年以上、大腸がんの治療に当たってきた外科医・西村元一さん(58)。
もう1人は北海道・夕張で地域医療の再生に取り組んできた村上智彦さん(56)。


患者に寄り添う理想の医療を目指してきた医師たちが、

突如、がん患者となり、

患者の本当の気持ちや不安に寄り添えていなかったと気付きます。


その後、西村さんはがん患者や家族が不安や悩みを吐き出せる

「元ちゃんハウス」をオープンさせます。


村上さんは、地域の人が気軽に立ち寄れる「まるごとケアの家」を作ります。

 

どちらも病院や医療では提供しにくい 、患者の本音に寄り添うための新たなケアの“場”。

二人の医師は、この“場”にどんな思いを込めたのでしょうか?


番組では、二人の医師が亡くなる1か月前に訪れたという東京・豊洲のがん専門の相談施設「マギーズ東京」を舞台に、
二人の医師が作った場を引き継いだ人たちが集まりました。


がん治療の進化によって、
患者と医療との関わりが変わる端境期にある今、患者はどう病と向き合えばいいのか、ひもときます。


出演者情報

秋山 正子さん(マギーズ東京 センター長)
西村 詠子さん(がんとむきあう会 理事長)
永森 克志さん(ささえるクリニック岩見沢 院長)
河野 多紀さん(フリーアナウンサー)

 

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201801182000

『最強の地域医療』をもう一度^^

  • 2018.01.20 Saturday
  • 22:30

『最強の地域医療』をもう一度^^

第1章:入院二日で余命三ヶ月の患者になった白血病闘病記。
不要になる病院を患者目線で鋭く分析しているのが面白いです。

第2章:
彼と彼の家族の物語、
そして、覚悟、愛着を共有できる『ささえる』にたどりつくものがたりです。

第3章:いまの”ささえる”のありかたです。
まず141−156ページをさらっと読んでください。
ものがたりくらぶ、まるごとケアの家、まもる会、

ケアを組み込んだ地域産業など新しい組織形態なども提案しています。

実は、第2、3章は僕も半分ぐらいを一緒に書いています^^永森

画像に含まれている可能性があるもの:テキスト

『二人の医師の遺言 ―患者の声に寄り添う医療とは―』 18日20時から〜NHKハートネットTV

  • 2018.01.18 Thursday
  • 00:40

『二人の医師の遺言 ―患者の声に寄り添う医療とは―』
18日20時から〜NHKハートネットTV

(25日13時から再放送)
去年5月、2人の著名な医師ががんで亡くなりました。


石川県金沢市で30年以上、大腸がんの治療に当たってきた外科医・西村元一さん(58)。
もう1人は北海道・夕張で地域医療の再生に取り組んできた村上智彦さん(56)。


患者に寄り添う理想の医療を目指してきた医師たちが、

突如、がん患者となり、

患者の本当の気持ちや不安に寄り添えていなかったと気付きます。


その後、西村さんはがん患者や家族が不安や悩みを吐き出せる

「元ちゃんハウス」をオープンさせます。


村上さんは、地域の人が気軽に立ち寄れる「まるごとケアの家」を作ります。

 

どちらも病院や医療では提供しにくい 、患者の本音に寄り添うための新たなケアの“場”。

二人の医師は、この“場”にどんな思いを込めたのでしょうか?


番組では、二人の医師が亡くなる1か月前に訪れたという東京・豊洲のがん専門の相談施設「マギーズ東京」を舞台に、
二人の医師が作った場を引き継いだ人たちが集まりました。


がん治療の進化によって、
患者と医療との関わりが変わる端境期にある今、患者はどう病と向き合えばいいのか、ひもときます。


出演者情報

秋山 正子さん(マギーズ東京 センター長)
西村 詠子さん(がんとむきあう会 理事長)
永森 克志さん(ささえるクリニック岩見沢 院長)
河野 多紀さん(フリーアナウンサー)

 

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201801182000

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